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スタッフ見聞録

2015. 10/21-9泊11日
ナポリからブルージュへ~南から北へ旅した秋のヨーロッパ


小雨のナポリ

1泊したアパートの真裏にあるのが4スターのルネッサンス・メディテラネオ。メトロ1号線のムニチピオ駅ができた今、ロケーションはまさに最高だと思います。

アパートは朝食なしだったので、ルネッサンスに行きました。 ほんとは近くのしぶいカフェがよかったんだけど、言葉の壁が・・・。やはり南はイタリア語勉強してこないといけませんねえ。。

ルネッサンスの朝食は屋上のレストランで最高の眺めです。

ナポリはまさかの雨。とりあえず止みはしたものの、やや残念な天気です。皮肉なことに一番南のナポリが今回一番寒かったかも。でも晴れた日にここで朝食するのを想像したら、気分は最高。

下に見えるのがムニチピオ広場。今回ナポリ再訪の目的が、この夏開通したメトロ1号線ムニチピオ広場付近を見ることでした。なにしろこれで、観光の中心地へ中央駅から一気にメトロで来れるようになったのです。

広場からホテルを見るとこんな感じ。左の矢印がルネッサンス・メディテラネオ。右に上のほうだけ顔出しているのがこの辺りで一番の高層ビル、アンバサダーホテル。

メトロ入口。

メトロ入口から見渡すと・・・まだまだ工事中モード。これから来年の夏に向けてこの辺りをキレイにしていくのでしょう。

そして構内はというと・・全然アートしてない!トレド駅のようなのを想像していたのですが、残念ながら実に無機的な空間。

メトロは機械の改札を通らないと入れません。その都度チケットを買うのが面倒な場合は、幾つか方法があります。

左はナポリに連泊して美術館を中心に観光する人に最適なアルテカード。美術館の情報をまとめた冊子と市内の交通網を記載したマップも付きます。これはナポリ市内のみ3日間有効のもので21ユーロ。ホテルでも買えるという情報が一部にありますが、中央駅構内のツーリストオフィスで買うのが確実です。

右は逆に弾丸的に観光や移動する人向けの、90分限定のカード1.5ユーロ。

ここはメトロ1号線のガリバルディ駅です。中央駅付近の雰囲気とはあまりなじまない、妙に近代的な建築。

中央駅の目の前にあり、タクシー乗り場を隔てた向かいから下ったり、中央駅構内から階段でつながってもいます。

駅前というのはどの町でもあまり雰囲気がよくないですが、ナポリでも比較的治安がよくないと言われている地域のひとつです。

そしてこれがトレド駅構内のアート。2012年に開通し、国際建築賞のリーフ賞を公共建築部門で受賞しています。

ちょうどこの旅の途中で、日本人建築家の中村拓志さんが同賞の最高賞を受賞したというニュースが入りました。

これは海のイメージ?やはり青の洞窟でしょうか。地下鉄って外が見えないし早く通り過ぎたい空間ですが、これで各地の駅が変わっていくとよいですね。

トレド駅の地上に出ます。ムニチピオ駅が開通するまでは、ここが一番観光スポットに近い駅でした。 今でもここから歩いてもすぐですが・・・。)このトレド通りは東京なら銀座、パリならシャンゼリゼに相当する、ナポリで最も(というか唯一の)近代的で華やかな通りです。

そしてここがナポリの面白いところなのですが、そのトレド通りに平行して展開しているのがスペイン地区と言われる、ナポリで最もやばい(?)と言われている地区なのです。観光客は絶対行っちゃいけません!とか言われていたり、山の手方面にお住まいの地元の人もまず近づかないエリアなのだそうです。

なのでツーリストはみなこうやって、トレド通りから撮影。

ちょっとだけ入ってみた。別にフツーに見えますけどね・・・。住んでる人はそうやって言われてることどう思っているんでしょうね。

さて、午後はコレに乗りましょう。

街が広範囲に広がっているところでは、全体を見るのにとても便利です。青天井の2階から眺めるのは気持ちいいし、写真も撮れて個人的には結構好きです。もちろんフィレンツェのような町ではあまり意味がありませんが・・・。

ベスビオ山がバッチリ見える、ルートBのバス

ナポリのホップオンホップオフバスは3ルートあり、そのうち2つのルートをハシゴしてみます。

まずはルートBから。

海岸線から高台へ登っていく、風光明媚なルートです。勝手に呼ばせてもらうなら、リゾート・ルート。

駅前やスパッカナポリ、スペイン地区などとは全く雰囲気が違う、高級感漂うエリアを走ります。

リゾートホテルやヨットハーバーがあるサンタルチア地区を越えて、

時々おおっとを引く建物があったり、

ベスビオ山を色々な角度から見渡せます。このルートは絶対2階がいいです。この日は小雨モードでしたが、好天時の情景を想像しながら夏用のゴアのフードを被って、ひとり2階で頑張っていました。

ベスビオ山を望むビュースポットでは、しばらく停車して写真を撮らせてくれます。

次にルートA。

ルートBがリゾート・ルートなら、こちらはカルチャー・ルート。カポディモンテ美術館、サンジェンナーロのカタコンベ、国立考古学博物館などの重要文化スポットが目白押しなのです。

カポディモンテ美術館付近の高台から眺めるナポリが私は一番きれいだと思います。

セラミックのドームが美しい、サンタマリア・デ・ラ・サニタ教会

こちらも後半は高台へ登って行くのですが、途中の風景はルートBとは全く異なる世界です。 その風景がまた、別の意味でカルチャー・ルートです。住宅と思われる建物がずっと続き、生活観がバスの2階に迫ってきます。

リスボンの市電のようでもあり、ベネチアの運河をバスで走るような感じでもあり。

これらの建物の風格に感動しきり。こういう高さで連続して見せられると圧巻です。右見て左見て、常に目が離せません。

折り返し地点はカポディモンテ美術館。スペイン・ブルボン家によるルネサンス、バロック絵画や陶器のコレクションで名高く、5年前には上野の国立西洋美術館でもカポディモンテ美術館展が開催されました。

うっそうとした木立の中に建つ宮殿は、その環境や建物自体も美しいものです。「・・・館」が苦手な私でも今度ゆっくり来てみたいと思いました。

カポディモンテを出るとすぐ見えてくるのが、マードレ・デル・ブオン・コンシリオ教会。

この教会はそれ自体とても美しいのですが、この裏にある地下教会、サン・ジェンナーロ教会が有名です。

そこには2世紀創設と言われるカタコンベ(イタリア語で地下墓地)があり、壁画やモザイクなどを見ることができます。ガイド付きで見学が可能です。

さてまた下の世界へ降りて来ました。

このルートは、下ではスパッカ・ナポリの外縁をなぞるように走ります。

道路と生活圏は終始密接しているので、下町の日常の姿、様々な音や匂いが直に伝わってきます。

バスを待つ人や2階の窓から洗濯物を取り込む人と目が合ったりする時は、思わず上からごめんとつぶやきながら。

とても興味深い、青天井のバスツアーでした。AとBのルートはそれぞれ全く異なるナポリを垣間見ることができ、お勧めです。

さて2泊目はホテルを変えます。ムニチピオ広場付近からそう遠くないので、歩いて行くことに。有名なカフェ・ガンブリヌス(左)の左を入って行くのがキアイア通りです。

キアイア通りはプレビシート広場とマルティーニ広場を結ぶ比較的短い通りです。どうもこの通りに縁があるみたいで・・・。写真は去年もここ通った。有名なピッツァリア、ブランディ。

そしてココです!去年泊まったホテルの入口。

どうにもこれがホテルだと分からなくて行ったり来たりして困り果てていたら近所のアイスクリーム屋の兄ちゃんがここまで連れて来てくれて、結局右下のちっこい扉から身をかがめて入ったんでした。

中は元貴族のお屋敷を改造した超渋い3スターホテル。今回も同じコンセプトのホテルですが今度は4スターにしてみた。

このキアイア通りは観光客にも最高の場所ですが、庶民的で感じのよい通りです。店はどちらかというと地元の人向け。

交差するのはよくある階段状の住宅街。スペイン地区と似ていますが特に普通に歩けそう。

キアイア通り自体も緩やかな傾斜とカーブがありますが、こういう雰囲気のある横道も。ついこの先に行きたくなりますね。

2泊目のホテルは、そんなキアイア通りを歩いてマルティーリ広場の手前で一本入ったところにあります。

ナポリはかつてスペイン・ブルボン王朝が統治していたので、どことなくスペイン風の、元貴族のお屋敷を改造したようなホテルが点在しています。

食べものやワインやビールもそうですけど、その土地ならではの特徴あるホテルがあれば、そういう所に泊まってみたい方です。 フツーの近代的なホテルの方が設備は整っていて気楽ではあるのですが。

部屋はあくまでもクラシックでエレガント。

雰囲気を楽しむとは言っても4スタートもなると近代的快適さも備えており、バスルームなどはピカピカです。

このミニバーも洒落ています。つい飲んでしまうわけですが。

暗くなると、さらに独特の雰囲気が匂い立つようです。ナポリのこういう一面にも強く惹かれます。

このホテルがあるのは石畳の落ち着いた通り。ブランドショップが多いマルティーニ広場が近いので、やはり身なりのいい人が多い気がします。

この通りには高級スーパーマーケット、って感じのお店がありました。食料品全般、生鮮野菜、肉や魚、テイクアウト用のデリ。

ここでも英語通じず、トマトやサラダを買うのも身振り手振りで何とか・・・。でも店のスタッフもそういう状況に慣れていて感じがよかったです。

南は夕食時間が遅いのです。ナポリではどこのレストランも夕食は19:30から。夕方から既に空腹状態の私は到底待ちきれず、かといってテイクアウトもむなしいので、ホテルのルームサービスを利用しました。

これが実にさっぱりして美味しかった。シンプルにグリルしただけの肉とズッキーニ。まるで和食のようです。イタリアにもこんな調理スタイルがあるんですね。左下は上記の店で買ったトマト。

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